Unicaja Club de Baloncesto

~育成責任者との会談&コパ・デル・レイ準々決勝~

スペイン滞在3日目。今日は午前中に2人の方との対談を行いました。

一人目はクリニカス・リンコン(ウニカハのセカンドチーム)のゼネラルマネージャーのパコ=アウレリオス氏です。

二人目はウニカハの育成(カンテラ)の責任者であるホセ=ルーカス氏です。

 

パコ氏はスペインの一般的な育成論とクリニカス・リンコンのフィロソフィーをお話頂き、ルーカス氏にはウニカハの育成組織についてお話頂きました。お二人の詳しい話を全てここに記すことは難しいですがので、今レポートではウニカハ・マラガとクリニカス・リンコンの少し複雑だけど興味深い関係についてご紹介したいと思います。

ウニカハ・マラガの組織図

■ウニカハ・マラガ
・スペイン1部リーグ(ACB)に所属
・過去にもACB優勝経験のある強豪チーム
・プロ選手を育成するため自前の下部組織(カンテラ)も運営
■クリニカス・リンコン
・もともとマラガ郊外にあった街クラブ
・スペイン2部リーグ(LEB)に所属
・ウニカハと業務提携
・18歳〜20歳までの選手を集めて2部リーグを戦う
・トップリーグに上がることを目的とせず、選手を育成したり、有能な選手をウニカハを始め、ACBのトップチームに売却したりすることで経営をしている。
 

ウニカハ・マラガの下部組織(カンテラ)

■17歳~18歳のジュニオール(junior)

・才能が認められば一気にトップチームと契約

・経験を積ませる為にクリニカス・リンコンへレンタル

・1年毎に契約(次年度に契約を結べない場合もあり)

ウニカハ・マラガのカデテ

■15歳~16歳のカデテ(cadete)

・インファンティルから昇格した選手たち

・海外からもスカウトされる

・1年毎に契約(次年度に契約を結べない場合もあり)

■13歳~14歳のインファンティル(infantil)

・ウニカハのスクールや近隣の地区から選抜された選手たち

・スカウトされた遠方に住む選手や外国人選手も在籍

・1年毎に契約(次年度に契約を結べない場合もあり)

以上の説明のようにウニカハのカンテラには13歳〜18歳までの選手が所属しており、18歳〜プロ契約までの世代がポッカリと抜けている状況です。

その穴を埋めているのがクリニカス・リンコンです。
 

クリニカス・リンコンとウニカハは業務提携を結び、18歳〜20歳までの選手を集めて単体のチームとして2部リーグを戦います。

 

このような形態をとることによって、

 

ウニカハのメリット
2部チームはプロの選手たちですので、選手の給料や遠征費などお金もかかるがトップチームほど採算性は高くありません。そのマネジメントをクリニカス・リンコンに委ねることによって、チームの負担を軽くすることができます。
また才能はあるが、まだトップチームでは十分なプレイタイムを与えられない可能性のある選手をクリニカス・リンコンへレンタルのような形で所属させて経験を積ませることができる。
 
クリニカスのメリット
ウニカハから有能な選手を獲得でき、チームを強化できる。尚且つ、ウニカハからレンタルする選手はウニカハがその選手の給料を負担するため、チームへの財政的負担が少ない。
またクリニカスとして下部組織をもつ必要がないのでコンパクトな運営ができ、2部リーグを戦うことだけに専念できる。
 
このようなWin-Winの関係性があり、ウニカハとクリニカスは業務提携を結んでいると思われます。

パコ氏との対談、ホセ=ルーカス氏のウニカハのカンテラに関するプレゼンテーションの後は、ホセさんがロス・ギンドス(ウニカハの練習場)内を案内してくれました。

ロス・ギンドスの見学ツアーを終え、またカンテラの練習を見学した後に、いよいよ今日から開幕するコパ・デル・レイの会場に移動します!練習場からコパの会場までは徒歩10分程度です。会場に近づくにつれて、各チームのサポーターたちがラッパを拭いたり、声を張り上げて盛り上がっているのが聞こえてきました。いよいよコパ・デル・レイ(国王杯)に来たのだと実感できる瞬間です。

準々決勝第1試合

レアルマドリード 83 vs 60 グラン・カナリア

 

レアルマドリードの圧勝!!

先日インタビューをさせて頂いたカルロス=ヒメネス氏が今大会の注目選手としてあげていたのが、今日も登場するレアル・マドリードのセルヒオ=ロドリゲス選手です。この選手のクオリティーは本当に高く、彼がコートに出てくるとガラリと流れが変わります!

準々決勝第2試合

ウニカハ・マラガ74 vs 79 CAIサラゴサ

 

地元ウニカハを破り、サラゴサが準決勝進出!

   

2試合を観戦すると、終了時刻は23時半近くになります。そこからタクシーやバスでホテルに戻りますので、到着は24時過ぎになります。
ハードなスケジュールや時差ボケ、慣れない環境などで皆さんも少しずつお疲れの様子ですが、明日以降もいろいろなスケジュールが目白押しです!!